DNS 漏洩とは何か?なぜ Clash で重要なのか
ネットワークプロキシを使用している際、通信自体は暗号化されたトンネルを通っていても、DNS クエリ(ドメイン名を IP アドレスに変換するリクエスト)がローカルの ISP(インターネットサービスプロバイダー)経由で送信されてしまう現象を DNS 漏洩 と呼びます。
これが起きると、あなたがどのサイトを閲覧しようとしているかが ISP やネットワーク管理者に筒抜けになり、プライバシーが著しく侵害されます。また、特定の地域制限(ジオフェンシング)を回避しようとする際、DNS 解決の結果がローカルのものを参照してしまうと、接続が拒否される原因にもなります。
dnsleaktest.com などのサイトで確認すると、依然として自国の DNS サーバーが表示されるケースが多々あります。
Clash DNS モジュールの基本構造と動作原理
Clash の DNS 設定は、単なるサーバーの指定以上の役割を持っています。Clash 内蔵の DNS サーバーは、受信したクエリをどのように処理するかを nameserver、fallback、default-nameserver といったフィールドで制御します。
基本的なプロセスは以下の通りです:
- default-nameserver:DNS サーバーのホスト名を解決するために最初に使用されるサーバー(通常は IP アドレスで指定)。
- nameserver:メインの DNS 解決に使用されるサーバー。
- fallback:国内の nameserver で解決できない場合や、汚染が疑われる場合に使用される海外のセキュア DNS サーバー。
Clash はこれらのサーバーに対して同時にクエリを送信し、最速の結果を採用するか、あるいは特定のロジック(IP 範囲のチェックなど)に基づいて最適な結果を選択します。
Fake-IP vs Real-IP:TUN モードでの最適な選択
Clash には enhanced-mode として Fake-IP と redir-host(Real-IP)の 2 つのモードがあります。2026 年現在の推奨は圧倒的に Fake-IP です。
Fake-IP のメリット
Fake-IP モードでは、Clash はアプリケーションに対して即座に 198.18.0.x のような仮想 IP アドレスを返します。実際の DNS 解決は Clash 内部で行われ、リモートサーバーへの接続時に初めて解決されるため、応答速度が劇的に向上します。
Real-IP の限界
Real-IP(redir-host)モードは、アプリケーションが実際の IP アドレスを知る必要がある場合に適していますが、DNS 解決を待ってから通信を開始するため遅延が発生しやすく、DNS 汚染の影響も受けやすいのが難点です。
TUN モードとの相性: TUN モードを使用する場合、Fake-IP はネットワーク層でのパケットキャプチャと非常に相性が良く、システム全体のプロキシ化をよりスムーズに行うことができます。
DNS 漏洩を防ぐ「fallback」と「nameserver-policy」の活用
DNS 漏洩を完全に防ぐためには、どのドメインをどのサーバーで解決するかを厳密に定義する必要があります。ここで役立つのが nameserver-policy です。
DNS Policy Configuration Example
dns:
enable: true
ipv6: false
enhanced-mode: fake-ip
fake-ip-range: 198.18.0.1/16
nameserver:
- 119.29.29.29
- 223.5.5.5
fallback:
- https://dns.google/dns-query
- https://1.1.1.1/dns-query
fallback-filter:
geoip: true
geoip-code: JP
ipcidr:
- 240.0.0.0/4
上記の構成では、fallback-filter を使用して、解決された IP が指定された範囲(国内 IP 以外)にある場合にのみ fallback サーバーの結果を採用するようにしています。これにより、国内ドメインは高速な国内 DNS で、海外ドメインは安全な海外 DNS で解決されるようになります。
TUN モードの高度な最適化:Stack と Auto-Route
TUN モードを有効にする際、システムのネットワークスタックをどのように処理するかがパフォーマンスに影響します。
- stack: gvisor:ユーザー空間でのネットワークスタック処理。安全性が高く、互換性に優れていますが、若干のオーバーヘッドがあります。
- auto-route: true:Clash が自動的にシステムのルーティングテーブルを書き換えます。手動設定の手間が省け、漏洩防止に効果的です。
- auto-detect-interface: true:最適なネットワークインターフェースを自動的に検出します。
これらの設定を組み合わせることで、ゲームやストリーミング動画の視聴時でも、安定した低遅延な環境を構築できます。
完全な DNS 設定テンプレートの公開
以下に、2026 年の最新環境に最適化された Clash DNS 設定の完全なテンプレートを示します。これを config.yaml に反映させることで、高度なセキュリティと速度を両立できます。
Advanced Clash DNS Template (YAML)
dns:
enable: true
listen: 0.0.0.0:1053
ipv6: false
enhanced-mode: fake-ip
fake-ip-range: 198.18.0.1/16
fake-ip-filter:
- '*.lan'
- 'localhost.ptlogin2.qq.com'
default-nameserver:
- 119.29.29.29
- 223.5.5.5
nameserver:
- https://dns.alidns.com/dns-query
- https://doh.pub/dns-query
fallback:
- https://dns.cloudflare.com/dns-query
- https://dns.google/dns-query
fallback-filter:
geoip: true
geoip-code: JP
ipcidr:
- 240.0.0.0/4
nameserver-policy:
'geosite:cn': [https://dns.alidns.com/dns-query, https://doh.pub/dns-query]
'geosite:google,youtube,telegram': [https://dns.google/dns-query]
この設定のポイントは、geosite を利用した nameserver-policy です。特定のサービスに対して、そのサービスに最適な DNS サーバーを個別に割り当てることで、名前解決の精度と速度を極限まで高めています。
まとめ:安全で高速なネットワーク環境の構築
Clash の DNS 設定を最適化することは、単にウェブサイトを開く速度を上げるだけでなく、あなたの大切なプライバシーを守ることと同義です。TUN モード と Fake-IP の特性を理解し、適切な fallback 設定を施すことで、DNS 漏洩のリスクを限りなくゼロに近づけることができます。
→ 今すぐ Clash V.CORE を入手して、この記事で紹介した高度な設定を試し、安全で快適なインターネットライフを手に入れましょう。