まず症状を言語化する(断流・キー消失・スリープ後)

断流」を検索する人の多くは、次のどれかに当てはまります。(1) しばらく使っていると接続が切れ、通知欄の VPN キー(鍵アイコン)が消える。(2) 画面を消した直後、ブラウザや IM だけ通信が止まる。(3) 端末を放置すると、バックグラウンドの同期がまとまって途切れる。Clash 側のノード遅延やルール未命中の可能性と並行して、省電力が VPN プロセスを Doze すると同じ外見になります。分アプリで「誰をトンネルに載せるか」を決める話は、アプリ別プロキシ に任せ、本稿は先にトンネルが生きているかにフォーカスします。

クライアントを選ぶ段階では、長期更新とログ表示の有無が後の切り分けに効きます。最適な Clash クライアントの選び方 を併せて読み、同じ用語(TUN、システムプロキシ、分アプリ)で OS 設定と会話できるようにしておくと、メーカー別メニューに入ったとき迷いにくいです。

なぜ OS が Clash を止めるのか

Android 本体は、バッテリーを温存するため非アクティブなアプリのネットワークと CPU を積極的に制限します(Doze、App Standby)。VPN は常駐性が高い一方、OEM 独自の「自動起動管理」「直近使用アプリのロック」などの上書きが乗ると、公式の AOSP の説明と画面が食い違います。小米・OPPO・三星は日本国内でも多く、メニュー名はアップデートで変わるため、キーワード(省電、バッテリー、バックグラウンド、自動起動、許可リスト、除外)で探す方が再現性が高いです。

ここを直さずに config.yaml ばかり触っても、症状が「一時的に直ってまた落ちる」を繰り返しがちです。心の中では「OEM 殺し」と「ノード不調」「DNS や fake-ip」の三択に分け、ログで落ち方が一致する層を潰すのが実測のコツです。

実測の枠組み:変更は一つずつ A/B

同時に「省電最適化オフ・自動起動オン・他 VPN アンインストール・プロファイル差し替え」とやると、何が効いたか分かりません。次の順が無難です。(1) Clash だけを起動し、他の VPN / 作業用プロファイルは切る。(2) 画面録画は不要なので、紙に一ステップ前の状態を短くメモる。(3) 設定を一つ変え、5〜10 分使う。スリープの再現なら、スリープ挿入と解除を 3 回連続。(4) 改善しなければ戻し、次の項目へ。接続断の性質をログで見るなら、接続ログの読み方 が役立ちます。

用語の整理:本稿の「ホワイトリスト」は OEM が提供する「バッテリー最適化の最適化しないアプリ」や「バックグラウンドで無制限」等の通称を指し、分アプリのホワイトリスト(Clash 内)とは別レイヤです。両方必要なケースが多い、と覚えておくと混乱が減ります。

全機種共通:バッテリー最適化と直近アプリの固定

どの端末でも先に触る価値が高いのは次の 2 点です。① 設定 > アプリ > Clash(表示名はビルド依存)> バッテリー で「最適化しない」または「制限なし」に近い扱いへ。② マルチタスク(直近アプリ)一覧で Clash を下に投げる前にロックアイコンを付け、OEM によるメモリ掃除の対象から外す。① は Doze による一括停止を避け、② はスワイプ終了の人為的キルを避けます。言語は日本語 / 中国語併記 UI もあるため、メニュー名は端末の検索欄に「バッテリー」と打ち込みながら辿るのが近道です。

さらに「バックグラウンドデータ」が制限されていると、制御チャネルや通知だけが遅延し、接続は残っているのに体感的に壊れていると感じることがあります。Wi-Fi/モバイルデータの個別制限をオフにしてから再測定してください。

小米(MIUI / HyperOS)向け

小米系は「自動起動(オートスタート)」と「バッテリーセーバー内の好み設定」が分かれていることが多いです。手順例として、(1) セキュリティ / 安全センターの管理で Clash を探し、自動起動を許可。(2) 同じ画面またはアプリ情報で他のアプリの上に重ねて表示等があれば、通知から再接続しやすい範囲で許可。(3) 端末起動直後、バックグラウンドで VPN プロファイルが載るまで数十秒遅延する機種は、省電力プリセット(例:超省電力)使用時に顕在化しやすいです。超省電力をオフ、または例外的に Clash だけ常時許可、で比較します。

HyperOS 移行後は「プライバシー」「他アプリ上の表示」の位置が変わることがあるため、設定内検索で 「バッテリー」「起動」を軸に再探索するのが安全です。

OPPO・Realme・OnePlus(ColorOS 系)向け

ColorOS 系は「アプリ起動管理」で 「許可 / 手動管理」とされ、バックグラウンド起動副次起動(関連アプリの連鎖起動)が別トグルになっている例が多いです。Clash を手動管理に切り替え、三種(バックグラウンド、副次、通常起動)を可能な限り許可に近づけます。さらに「バッテリー最適化」の除外リスト(または最適化しない)を確認します。スリープ後だけ落ちる場合は、直近アプリのロックと併用すると、メモリ解放アルゴリズムとの相性改善が起きることがあります。

リージョンによってはメニューが英語・中国語併記のまま出る端末もあるため、上記キーワードの英訳(Battery optimization、Auto launch)でも検索してください。

三星(One UI)向け

One UI では 設定 > アプリ > 特殊アクセス > バッテリーを最適化されないアプリから Clash を「最適化しない」に加える手順が定番です。加えて 「スリープ中も許可 / スリープ解除」に相当する背景データ・バックグラウンド活動(機種 / バージョンで名称差)を確認し、Android の「バッテリーの最適化」全般で「最適化しない」が衝突していないかを見ます。Game Launcher や「パフォーマンス」モードが VPN と干渉する例は多くはありませんが、極端な節電プリセット併用時は一度標準に戻すのが切り分けに有利です。

三星端末の日本向けROMでは表記揺れが年ごとに変わるため、まず アプリ名で検索し、次に上記「特殊アクセス」まで掘ると迷子になりにくいです。

Pixel など純粋系 Android 向け

ピクセル等では AOSP の バッテリー最適化 画面が比較的素直に出ます。手順例:(1) 設定 > アプリ > すべてのアプリ > Clash。(2) バッテリー > 無制限 または 最適化しない。(3) 必要なら「バックグラウンドでのデータ利用」が有効。(4) VPN を二重にかけていないか(Private DNS のみ + Clash 等の組み合わせで証明書エラーに見えることは別稿の切り分けと)。純粋系でも、ベンダー純正の「デバイスヘルス」系が追加されている年があり、その場合は同様に スリープ中の活動 を疑ってください。PC 側の TUN の考え方は TUN モードの解説 と地続きで、Android では VPN 権限と省電力の方が表に出る、という位置づけです。

おやすみモードと省電力モードの注意点

おやすみモード(DND)自体は多くの機種で VPN を直接殺しませんが、画面オフ+ DND + 極度の省電力の組合せで、バックグラウンド制限の実効が上がることがあります。就寝中だけ切れる、という相談はまず スケジュール省電力スリープ中の非同期 を疑うと早いです。また端末温昇で熱制限が掛かると、OS がプロセスの優先度を下げ、結果として VPN キーが消えることがあります。布団の上での長時間利用、夏場の直晒し、など環境要因をメモに含めてください。

それでも切れる:DNS・ログ・アップグレード

OEM の「許可リスト(ホワイトリスト)」相当の設定を通しても、特定サイトだけ timeout するなら、DNS 設定 とルールの順序、ノード遅延を疑います。コアの不具合やサブスクリプション不整合の可能性は Clash(Meta)のアップグレード手順 と併せ、公式あるいは配布元のリリースノートで既知不具合を見ます。ノード当たり前の ルール面ルールのベストプラクティス へ、運用面は サブスクリプションとノードの保守 へ戻ると、原因の層切り分けが一段クリアになります。一般的な用語の整理は よくある質問 も併用してください。

なお、企業支給端末では省電力ではなく MDM ポリシーで常時 VPN が禁じられている可能性があります。技術的に同一症状でも、個人向け本稿の手順は当てはまりません。社内ルールの確認を最優先にしてください。

コンプライアンス:本稿はネットワーク管理者の承認のない迂回を助長する意図はありません。職場・教育機関のポリシー、および利用するサービス利用規約を遵守してください。

まとめ

Clash Meta for Android の「断流」のうち、通知の VPN キーが消えたり、スリープ直後にだけ通らなくなったりするタイプは、バッテリー最適化・バックグラウンド起動制限・直近アプリのロックで改善することが少なくありません。OEM ごとのメニュー名は揺れますが、最適化から除外自動起動バックグラウンド無制限という三語を軸に辿ると、小米・OPPO・三星のどの画面でも同じ仮説検証に落とし込めます。アプリ層の出口整理は アプリ別プロキシ 記事、OS 層の省電力・起動制限(許可)は本稿、という分業で読むのが分かりやすいでしょう。

他のプラットフォームで Clash を併用する場合は、同じ仮説を「常駐殺し」に置き換えて、Windows のサービス、macOS のスリープ、Linux の OOM などに写像すると、家族やチーム内での切り分け会話がしやすくなります。

→ 端末向けの配布導線はまとめて Clash を無料でダウンロード し、OEM 設定とプロファイルの両方を同じノートに残してから試すと、再現テストの再開が速いです。GitHub 上のソースや Issueは信頼性確認に役立てつつ、パッケージの入手先は自サイトの案内に沿うのが安全です。